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アクティブ・ラーニング実践報告1〔質問づくり(QFT)/ハテナソンによる「問い」の設定〕

2017年04月14日

 質問づくり(QFT)/ハテナソンによる「問い」の設定を活用したアクティブ・ラーニング型授業の実践についてご紹介します。

 本年3月に、QFT(Question Formulation Technique)の提唱者であるダン・ロススタイン(Dan Rothstein)氏が来日されました。

 本校の氷見教諭は、3月15日と16日に京都で開催されたワークショップとトレーニングプログラムに参加し、ダン・ロススタイン氏の直接指導のもとQFTの手法を学びました。

 ダン・ロススタイン氏によるQFTのワークショップとトレーニングプログラムが日本で開催されるのは今回が初めてです。

(QFTワークショップとトレーニングプログラムの内容については、佐藤賢一氏のブログで紹介されています)

 QFTは、『たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する「質問づくり」』(新評論社,2015年出版)で日本にはじめて紹介された教育手法です。

 QFTは、アクティブ・ラーニングにおける「さまざまな課題の発見」や「主体的な学び」に役立つと考えられているため、実践する教育機関が少しずつ増えてきています。2月には、読売新聞紙上で新聞を使ったハテナソンとして大きく紹介されました。

 

「ハテナソン」とは?

 ハテナソンとは、京都産業大学教授の佐藤健一氏による造語です。その定義について、京都産業大学のページから引用した文を紹介します。

 「ハテナソン(hatenathon)は、一人一人の発想を尊重し、かつ民主的な方法のもとで、質問や課題、問題等を発見し言語化する取組みを意味する、ハテナ(?)とマラソンをあわせたオリジナルの造語です」

 氷見教諭は今年度から、ダン・ロススタイン氏から指導を受けたQFTによる「問い」の設定を活用した授業(生物基礎・地学基礎)を始めました。

 ここでは、第1回目の生物基礎の授業(4/12)で、「生物とは何か」を考えることの導入として進められた授業の一部をご紹介します。

 

◇ QFTを活用した授業の流れ

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・ 質問づくりを行う上で重要なルールを理解する

 QFTにおいて最も重要なことは、「発散思考」を停滞させないことです。ルールを守らせることで、よりたくさんのアイディアをだす(ここでは質問づくり)ことが促されます。質問づくりの前に、個人で、グループで、そして全体でルールについて考えます。

 

・ 質問の焦点が提示されたら、グループで質問づくりに取り組む。 

 今回の質問の焦点は、「ウイルスは生物の特徴の一部をもつ存在である」でした。もちろん、生徒はウイルスについての知識をもちません。「難しい!」や「質問の例を教えて!」という声も聞こえましたが、教師が例を示してはいけないため、ただ質問づくりを促します。

  

7分間の活動で多くの質問が作られました。

生徒による質問の一部を紹介します。

 

・ 生物の特徴を全て持ったウイルスは存在するのか

・ どのようなウイルスがあるのか

・ ウイルスと生物との関わりは何か

・ 生物の特徴とは何か

・ ウイルスとは何か

・ ウイルスは生物なのか

・ ウイルスは生物ではないのか

・ その「一部の特徴」とは何か

・ 全てのウイルスがそうなのか

・ 生物の特徴以外の特徴をもっているのか

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・ この他、質問の分類や優先順位づけなどの活動を行いました。 

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 QFTのすべてをこのページで紹介することはできませんので、QFTに興味のある方は『たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する「質問づくり」』をお読みください。また指導実践についてのお問い合わせは、トップページ右下の入力フォーム(「お問い合わせはこちら」)からお願いします。

 

◇ リフレクションシートより

・ 他のグループの発表から、自分とは違った視点からの質問を聞くことができた。

・ こういう授業ははじめてだったので、次の授業も楽しみになりました。

・ 開いた質問、閉じた質問の変換が難しかった。

・ 質問をつくることで自然に自分の中で疑問が生まれ、授業に意欲的に参加できると思いました。

・ 授業の前に疑問をもつことで、内容を吸収する力が高まると思います。

・ 知識を得るときに、自分から積極的に疑問をもって学ぶということが大切だと思いました。

・ 思っていたよりも質問の内容を考えることが難しく、頭を使った感じがします。

・ 普段なら疑問に思わない一文も、よく考えるとたくさんのことが考えられて楽しく取り組めました。

・ 質問を考えるのが楽しかった。

・ こんなにもたくさんの質問が作れるとは思わなかった。

 全体としては、「楽しかった」、「深く考えることができた」、「別の視点でも見ることができ、面白かった」というコメントが多く寄せられました。

 

 ◇ 生徒によるアンケート

 授業の最後にアンケートを取りました。

その集計結果(A:達成・満足,B:ほぼ達成・やや満足,C:あまり達成できず・やや不満,D:達成できず・不満)は、

 

「意欲的に授業に参加できましたか」

A 78.2%  B 17.8%  C 3.0%  D 1.0% (回答数101)

 

 「今日の授業に対する総合的な満足度を記してください」

A 68.3%  B 30.7%  C 1.0%  D   0% (回答数101)

という結果になり、意欲面、満足度においても、きわめて高い値を示しました。

 

 これらの結果から、質問づくりはきわめて教育的効果の高い活動であるといえるでしょう。

 次期学習指導要領では、生徒の思考力・判断力・表現力の育成が重視されます。そのキーワードは、「深い学び」、「対話的な学び」、「主体的な学び」です。

 QFT/ハテナソンはそれらの学びを実現する有効なツールの一つとして発展させるべきものでしょう。

 氷見教諭は、「今後もQFT/ハテナソンを取り入れた授業を工夫し、子どもたちの資質・能力をさらに高めていきたい」と考えています。

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