探究を、探究する。
教員を対象に「探究の学びのデザイン」をテーマとした研修を実施しました。講師は、連携校である金沢工業大学 メディア情報学部 心理情報デザイン学科教授の田中孝治先生。探究的な学びを深めるには?自己を見つめる学びをどうサポートするか?そもそも「探究」とは何か?そんな問いに向き合う研修となりました。探究とは、生徒の内発的な問いから始まり、問いへのアプローチも、その先の答えにも“絶対的な正解”がない学びです。そして、そのような学びをどのように支えればよいか―それ自体が、教員にとっての「正解なき問い」でもあります。
PBLのPは・・・?
PBLは一般に「Project/Problem Based Learning(課題解決型学習)」と訳されますが、今回の研修ではその“P”をより拡張して捉える視点が共有されました。Projectだけでなく、Passion(ワクワクする気持ち)、Peers(ともに学ぶ仲間)、Positive(前向きな場・関係性)、Play(遊び心)というキーワードで探究を読み解くと、学びを支えるヒントが浮かび上がってきます。なかでも印象的だったのが「Play」の視点。ちょっと笑えるアイディア・視点や、こうやってみたら面白くない?というような、実験的な姿勢が、探究の可能性を広げていくのです。

生徒とともに学ぶスタンスでいい。
ワークショップは、まさに探究への“関わり方”を探究する時間になりました。
どのようなレイアウトで机を配置するか、どんな道具を使って対話を進めるか。与えられたのは「時間」という条件だけで、自由度の高い設計の中、教員たちは自らの思考と対話を通して学びを体験しました。
また、自分たちが事前に出した「問い」をあらためて精査する時間もあり、教員自身が、どのように問いに向き合っていたのかを見つめ直す機会にもなりました。そして、見えてきたひとつの本質。それは、教師は、答えを与える存在ではなく、生徒とともに学ぶ存在であってよい。生徒とともに考え、試し、対話する。そんな関わりの中にこそ、深い学びが生まれていくのだと、いうことに気づく研修となりました。
大学での実践事例なども多く共有いただき、今後の探究の充実に大きな示唆と学びのある研修となりました。田中先生はじめ金沢工業大学の皆さまに感謝申し上げます。
