富山第一高等学校

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自然科学部・研究発表で受賞/全国高校総文祭2025

全国高校総文祭にて奨励賞・受賞

自然科学部が、香川大学にて開催された「第49回全国高等学校総合文化祭(かがわ総文2025)」の自然科学部門において、奨励賞(文部科学大臣賞、文化庁長官賞に次ぐ賞)を受賞しました。

この研究は、昨年の富山県高等学校文化祭・自然科学部門で最優秀賞を受賞し、富山県代表として全国総文祭へ出場したものです。発表タイトルは、「桐山管理歩道と猪根谷遊歩道の木本植物を対象としたライントランセクト調査」。

全国から選ばれた高校生研究者が集う中で、富山ならではの森林を対象に、地道な調査と多角的な解析を通して森林の姿を科学的に明らかにした点が高く評価されました。

森林の姿を「線」と「面」でとらえる

研究では、山道に沿って植生を記録する「ライントランセクト法」と、一定の区画内の植物を一つひとつデータ化して調査する「方形区毎木調査」を併用しました。

得られた調査データは、地形の特徴や、ダム建設をはじめとする人為的な環境変化の歴史と関連づけて分析。山道沿いの植生変化を「線」としてとらえると同時に、森林の構造を区画で定量化して「面」として描き出すことで、時間軸、空間軸の両方向に奥行きのある森林像を浮かび上がらせました。こうした二つの調査手法を組み合わせた多面的かつ深い解析が評価され、今回の受賞へとつながりました。

有峰の森林を、科学の目で見つめ続ける

調査地は、富山市南東部に位置する山地帯・有峰。かつて人々が暮らしていたこの地は、現在では標高1100メートルに広がる森林とダム湖を有する、自然豊かな地域となっています。自然科学部では、この有峰の森林を対象に長年にわたって継続的な調査を実施。毎年少しずつ調査範囲を広げながら、森林の姿を定量的に記録し続けています。
 

さらに、科学的な視点による学術的成果にとどまらず、蓄積されたデータを「樹木マップ」として視覚化。これは、ハイキングなどでこの地を訪れる一般の方々にも、有峰の森林をより身近に感じ、その魅力を知ってもらいたいという思いからです。

富山の自然の魅力を伝える

「発表者が森林に愛着をもって研究していることが伝わってきた。」

オーディエンスの評価でいただいたコメントです。豊かな表情を見せる有峰の自然の魅力を、多くの人に届けたい。そんな思いを胸に、これからも有峰の森林を見つめ、研究を続けていきます。

本研究の森林調査にご協力をいただきました富山県農林水産公社、フィールドワーク「ありみね高校生学びの森」の関係者、参加者の皆さまに、感謝申し上げます。

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