あの日の寒さの中で
能登半島地震から2年。被災地である珠洲市と輪島市を訪れ、震災を「現地」で学ぶ探究フィールドワークを行いました。映像や記事のみでは知ることのできない風景、空気、人の営み。その場に立ち、自分の目で見ることから、学びが始まります。情報があふれる時代だからこそ、「一次情報」に触れる経験を大切にしています。
生の声に触れる、避難の現実
現地では、今なお震災の甚大さを伝える隆起した道路や崩れた建築物を目の当たりにしました。また避難所での生活や運営に関わった方々から、当時の体験を伺いました。ペットを連れた避難、妊婦や高齢者への配慮、限られた環境の中で下された判断。立場によって異なる困難と、その一つひとつに向き合う現場のリアルを、生徒たちは真剣に受け止めていました。
傾いたままの校舎
訪問した輪島高校では、震災の爪痕の残る校舎の中を実際に見せていただき、寒風が吹き付ける中、屋上に立ちました。今も傾いたままの校舎。震災後1年以上にわたりこの傾いた校舎の中で、私たちと同じ高校生が学びを継続してきたことを知りました。
雪が舞う中でのフィールドワーク。真冬の寒さの中で避難を強いられた人々の不安に、自然と想いを重ねる時間でもありました。
学びを減災へつなげる
震災を学ぶことは、知識で終わらせることではありません。帰校後の探究発表会では、現地で得た一次情報をもとに、生徒一人ひとりが減災につながる行動や課題を考え、発表しました。フィールドワークを通した現地での学びから、次の行動や課題解決につなげる。未来志向の探究を実践しました。
