有峰の大自然の中で
自然科学部では、標高1,100mの大自然の残る有峰にて、他校の高校生ともに、森林に生息する動植物を継続的に調査、研究しています。(ありみね高校生学びの森)
今年も、夏季の調査、研究フィールドワークを泊まりがけて実施しました。

14年間の森林変化に注目
今年の植生調査では、ブナ林の長期的な変化に着目。2011年、2018年の先輩方の調査に続き、14年後の現在の森林の状態を調査しました。木々が生い茂る森林に分け入り、20m四方の区間に見られる樹木を1本1本確認し、種類、太さ、高さ、葉の広がり等を記録しました。

森林のダイナミックな変化
今回の調査で、一見いつも同じように見える森林も、長い年月をかけて変化していることを定量的にとらえることができました。調査対象の森林では、ブナの倒木にともないできた空間(ギャップ)に、多様な種類の樹木が生長しているダイナミックな変化が見られました。

動物と植物のつながり
植生調査以外にも、昆虫、哺乳類、両生類、土壌中の分解者など幅広い動物の調査観察も実施しました。森林の内外に仕掛けたトラップで動物を集め、その種類や個体数から森林の状態を調査。植物と動物のつながりについても考察しました。(すべての調査は、自然公園管理者の許可、立ち合いのもと実施しました。)


フィールドで学ぶ意義
教科書や実験室の学びだけでなく、自然の中に入って動植物を観察する。フィールドの中では感性が研ぎ澄まされ、人間が1種の生物であることの気づき、身の回りの自然に対する興味がかき立てられます。
また、昨年度のフィールドでの植生調査が、今年の全国高校総文祭での受賞につながっています。
フィールドワークに実施協力いただきました富山県農林水産公社はじめ関係の皆様に感謝申し上げます。
