新たな交流のはじまり
デンマークのヒレレズ工科高校(Hillerød Tekniske Gymnasium)とTOMIICHIの相互訪問交流プログラムがスタートしました。その第一弾として、ヒレレズ校から22名が来校。本校、そして富山各地を舞台にさまざまな交流活動を行いました。
歓迎式典を皮切りに、授業、日々の学校生活、文化活動など、さまざまな時間をともに過ごしました。今回の出会いを出発点に、海を越えた両校の交流はこれから広がっていきます。
麗しき国
歓迎式典では、デンマーク国歌「麗しき国(Der er et yndigt land)」を吹奏楽部が奏で、ヒレレズ校の皆さんをお迎えしました。
日本とデンマークは、遠く離れた国でありながら、木を大切にし、木工や家具づくりに独自の文化を育んできたという共通点があります。また、日本の皇室とデンマーク王室の間にも、長年にわたる親しい交流があります。こうした歴史ある両国のつながりに、TOMIICHIとヒレレズ校の新たな交流が加わりました。
アニメの話で。
国は違っても、同じ世代。生徒たちはすぐに打ち解け、会話が弾みます。日本に来てから食べたもの、普段聴いている音楽、そして好きなアニメの話やスポーツの話。共通の話題が見つかると、会話はますます盛り上がり、自己紹介から始まった会話が止まりません。お互いに母語ではない英語を使いながらも、言葉を探し、通じ合えることの楽しさを感じていました。
消費税25%
2年生の英語の授業では、日本とデンマークの違いについて各チームでプレゼン&ディスカッション。多様なトピックで両国について比較しました。
今、日本の国会でもホットな話題の消費税。北欧の税率が高いことに着目したチームでは、デンマークの消費税率が25%であることを紹介。「税率は高いけれど、医療費の多くが税金で賄われているので、負担感はそんなにない」という気づきがありました。
世界に広がる視野
学校生活の違いに着目したチームでは、日本の部活動が話題に。「学校で好きなことに打ち込めるのは、日本の学校の良いところだよね」と、日本の良さを再発見。世界幸福度ランキングで第3位のデンマークについて、「なぜ幸福度が高いのか」を考察するチームも。社会制度や暮らし方、価値観の違いについて議論が広がりました。
「英語で通じ合えたことが楽しかった。話をする中で、もっとデンマークのことを知りたくなった」
と、交流した生徒。
学校生活の違い
日本の学校では当たり前の清掃の時間。デンマークの生徒たちもTOMIICHIの生徒と一緒に、楽しそうに取り組んでいました。制服の着用や学校生活のルールが比較的少ないデンマークの生徒たちにとって、日本の学校生活は新鮮なことばかり。文化や習慣の違いを楽しんでいる様子でした。
デンマークの童謡を通して
デンマークにゆかりのある童謡「靴屋のポルカ」。日本でも「糸まきまき」の歌詞で親しまれている、おなじみのメロディーです。音楽の授業では、ヒレレズ校の生徒たちも日本語の歌詞で歌うことに挑戦。この曲をきっかけに、世界各国の童謡に触れながら、言葉とはまた違う、音楽を通した交流を楽しみました。
武道の精神性
実際に袴に身を包み、日本の伝統武道である弓道を体験しました。西洋のアーチェリーとの大きな違いは、技術だけでなく心のあり方を大切にする精神性。的ではなく、自身の揺らぐ心と向き合い、呼吸を整え、心を静める。日本の武道に息づく精神文化の一角に触れてもらう時間になりました。
礼に始まり、礼に終わる。
交流お茶会では、茶道部の生徒たちがお点前を披露し、ヒレレズ校の皆さんをおもてなししました。和菓子とお抹茶に歓迎の心を込め、日本の茶道文化を紹介しました。「礼に始まり、礼に終わる」という日本の伝統文化に息づく精神。お辞儀やお茶をいただく所作を通して、相手への敬意や感謝の心を大切にする茶道の精神に触れました。
ヒレレズ校の生徒たちは正座にも挑戦。なれない姿勢に苦戦しながら、「どうしてそんなに長く座っていられるの?」と不思議そうにTOMIICHI生に尋ねる場面もありました。最後まで正座を崩さずに、座り通した生徒たちも。
木工がつなぐ日本とデンマーク
滞在中は、井波の木工工房や瑞泉寺、五箇山を訪れ、富山に息づく伝統建築や木工技術に触れました。精緻な彫刻や伝統建築に受け継がれる日本の職人技に、ヒレレズ校の皆さんも感銘を受けた様子でした。木工という共通の文化を通して、互いの技術や美意識への理解を深めました。
TOMIICHI生、ヒレレズへ。
来年3月のヨーロッパ研修では、今度はTOMIICHI生がヒレレズ工科高校を訪問します。互いの文化や価値観に触れ、理解を深めながら、国境を越えた友情を育んでいく。今回の出会いから、両校の新たな交流の歴史が始まりました。
次はデンマークで。再会が楽しみです。
